Temporary Foundationとは仮設的に立ち上がる共同体を意味します。しかし、これは初めて使用された名称ではありません。1985年京都アンデパンダンでの「天女の裏庭」プロジェクト(林剛+中塚裕子)をサポートする目的で、美術評論家の中村敬治とgalerie 16の井上道子が基金財団Temporary Foundationを立ち上げました。今回はその名称を引き継ぎながらも、Temporary Foundationを「基金」という意味ではなく、私たちがよってたつ「国土が仮設」である事を意味しています。《法と星座:Turn Coat / Turn Court》という装置と向かいあうことで、過去の美術史的事件のいま・ここでの再評価ではなく、見知らぬ人たちを、どこでもない未知の時空へと迎え入れる祝福の作業になればと思います。
高橋悟 京都市立芸術大学美術学部教授